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英雄は嘘がお好きのmendeのレビュー・感想・評価

英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)
1.5
フランスのコメディはぬるいものが多いと思うけど(その割りにフランスってコメディ映画が多い)、メラニー・ロランが出てるのでそんなにひどくはないだろうと思って見てみた。

ナポレオン時代なのでエンパイアスタイルのドレスが堪能できてそこには満足。『燃える女の肖像』とはまるで違うノエミー・メルランも見られる。
メラニー・ロランは手紙を偽作する賢くもしっかり者の姉役で、ちょっとジェーン・オースティン的でなかなか適役。
でも、あれこれうるさい妹をその夫が平手打ち。その男らしさによって夫に惚れ直させるという100年くらい古いスキットを見せられてうんざりした。
設定はジェーン・オースティンなのに、女性目線がない。

↓以下ネタバレ。
嘘つきの主人公、ジャン・デジャルダン。実はエスリンクの戦いに参加していたようで、その悲惨さを語る場面はいきなりシリアスに。
コサックの襲撃から助かったり、招集から逃げ出したり、ジャン・デジャルダンに優しい脚本だ。ただこれから恐ろしく悲惨な負け戦になるはずだから、逃げ出すのは正解だと思う。
メラニー・ロランが出るのでロマコメっぽい設定にしたけど、結局は男の話。最初から男のコメディとして作っていればまだ面白かったかもしれない。最後はヒロインの立場なく終わってしまう。

監督・脚本のローラン・ティラールは『おとなの恋の測り方』もルッキズムについてもやっとすることがあったのを思い出した。
こういうポリコレに関する鈍さもあるが、それ以上にロマコメに手を出すべきじゃない人なのではないかと思う。
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