tristana

団鬼六 黒薔薇夫人のtristanaのレビュー・感想・評価

団鬼六 黒薔薇夫人(1978年製作の映画)
5.0
後から見といて堂々と図々しくオレの映画と言いたくなる。それほどに素晴らしい。じょうごを口に突っ込まれた谷ナオミの腹が流し込まれた水で聞いたこともない音を立てて風船のように膨らむ。膣の中で破裂したウィルキンソンの優雅な噴水。やりたい放題に人体を弄んでいるようで、人間が発明した暴力などまったく及びもつかない場所で独自にはたらく死の論理、次々絡め取られていく人間たち。散歩のような死。いつでも口を開けて待っている。植木屋か何かのトラックが開いた門を素通りし、人間サイズの檻が荷台から下ろされ屈強な男たちに運ばれていく。この幾分ゆったりしたシーンにこそ本当の豊かさがある。エリオット・グールドを思わせる志賀圭二郎さん。
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