てつこてつ

The King and I 王様と私のてつこてつのレビュー・感想・評価

The King and I 王様と私(2018年製作の映画)
5.0
2015年トニー賞最優秀リバイバル作品賞、ケリー・オハラの最優秀主演女優賞受賞作品。ちなみに、ケン・ワタナベも最優秀主演男優賞にノミネート。

こちらは、その後、同キャストで2018年にロンドンはウエストエンドで公演された際にフィルムに収められたもの。シアターオーブでも来日公演されて観たかったが、公演日程が少なく、チケットが取れず。今回、幸いにWOWOWで視聴・・。

いやはや、シャムの王様を威厳を持って、そして時にはコミカルに演じるケン・ワタナベの演技力には圧倒された!オーラが凄い。これまで彼が出演してきたハリウッド映画の数々の英語力には正直??という物が多かったけど、今回は、舞台。基本、舞台のセリフは、聞き取りやすく不自然なくらい活舌よく、articulateに発音すれば良いので、ほぼ問題なし。観客から笑いもしっかり取れていた。さすが、舞台出身の事はある。

「王様と私」と言えば、ユル・ブリンナーが、すぐ浮かぶが、あっちは、ただただ厳めしいばかりで、最後まで人間味があまり感じられなかった。

比べて、ケン・ワタナベは非常に表情豊かで舞台で軽やかに動き回る。ただ、歌唱力には難あり。一曲だけ、王様が歌う場面があるのだが、音域はそれほど広くないのだが、転調が多く、なかなかtrickyな曲で、厳しいもんがあったなあ。

それでも、ケン・ワタナベがKINGを演じていなければ、この作品は成立していないほど、彼は素晴らしく、全編英語の作品としては、彼の代表作となると言っていいと思う。

驚いたのは、王の片腕の首相役・・という結構大きな役として、大沢たかおが出演していた事。彼は歌うことはなかったが、そこそこセリフの量はあり、アクセントはきつめではありながらも聞き取るレベルには問題はなし。

ブロードウェイやウエストエンドの舞台に日本の事務所のコネなんて効きゃあしないから、実力でオーでションから勝ち取ったんだろうから大したもん。

ちなみに、この★5は、あくまでケン・ワタナベの演技の評価に対して。作品自体がストーリーが古くさいし陳腐で、自分には苦手なタイプ。
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