むぎたそ

The King and I 王様と私のむぎたそのレビュー・感想・評価

The King and I 王様と私(2018年製作の映画)
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なんか Shall we dance? のシーンで飛び起きた。そうか、これ、王様と私だったのか。例の社交ダンス映画でしか見たことなかったけど。
渡辺謙の動き足さばき、さっすが俳優やあ!ってなった。これぞミュージカル!って感じの心躍るよいシーンだね。群舞しなくて、二人だけでもよいシーンってできるんだ!!
しかし、前半途中までだいぶ、渡辺謙だ!大沢たかおだ!っていちいち意識しすぎるのがストーリー理解のジャマだった気が。。あくまでも自分の意識の問題(たぶん、英語が日本人が発音するいかにもな英語だからな気がする)

大沢たかお、王のこと好きだったのかな(リスペクト以上の感情)……なんか終始三枚目っぽい役柄だけど(イケメンで知られるたかおがいつもと違うあの感じはよい!)、あのさいごのせつなさはすごくよかったわ。キャスティング、ないす。

ミュージカルって、いろんな人に、それぞれの見せ場があるの、すごくいいな。チュラロンコン王子とかティプタム?とかあと小さい王女とか。第一夫人がかなりいいひとだよね。ぐっとくるかなりすきな脇役。

異文化の人たちが出会って、お互いが変わっていく(心が溶けていく)みたいな映画、そこそこ好きだなあ。
これはあくまでも西洋のスタンダード(大英帝国)からの視点の「矯正」であって、異文化を直す、とかそういうストーリーが現代の正しさとは違う歴史的なものだとは思うけど。女を下にみすぎるとかひれふしすぎとかそういうのをやめる決断(アンナの教育を受けて意識が変わった王子による)はなんか人権的に素直に(安易に)感動してしまった(それも西洋化いやアメリカ化した現代社会に生きてるからの視点か)(いい先生に出会って感化される成長する系の作品そこそこ好きだからというのもある)

家庭教師ものはサウンドオブミュージックかなり好きだから元々受け入れやすかったのかしら。
loveじゃなくてlikeなのね。「友人」だから踊る。(王様がアンナの能力というか人柄を認めて、「友人」だと認めるシーン、ぐっとくる。ツンデレ王、どさくさにまぎれて家くれるとこもよかったわ。)本当はお互いにそれ(like)以上のものを感じていたとしても、異文化や身分という壁ゆえに、ぐっと抑えた感じで終わるのもよかった。
終わり方がいかにもMGMとかの大団円って感じ……。やっぱり往年のミュージカルの音楽って独特のゴージャス感とキラキラ感がいいな。

近年の映画版(チョウ・ユンファとジョディ・フォスターだっけ?似合いそう!)とユル・ブリンナー版も観てみたい。
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