てる

小さい魔女とワルプルギスの夜のてるのレビュー・感想・評価

3.4

ドイツの映画だったのかな?
童謡のような作品だと思っていたけど、まさにそのとおりだった。子ども向けの作品だったけど、中々面白かった。

このタイトルだけを聞くと、不穏な雰囲気を感じてしまうが、全くそんなことはなく、子ども向けのファンタジー作品だった。ワルプルギスの夜ってまどマギで使われていたり、他のファンタジー作品でも聞いたことがあって、怖いイメージがあった。

この作品では魔女のお祭りとして描かれていて、一年に一度の魔女たちの宴会であるようだ。といっても、悪巧みをしているわけでもなく、楽しげに踊っていたりと、何とも平和な宴なのだ。

魔女ってどういう存在なのかしら。人間の姿をしているけど、人間じゃないのかな。
まぁそうなんだろうね。
でも、おばさんがいるわけで、血のつながりとかはあるわけで、どういう風に魔女という存在が生まれてくるのか気になるところだ。
魔女は人間と仲良くしてはならないとか猫を僕にするとか様々なルールがあるようだけど、主人公は全くそれを知らなかったようだった。
もしかしたら、魔女は魔女の手によって育てられるのに、彼女は一人で生きてきたということなのかしら。だから普通の魔女とは価値観が違うのかな。
なんて、深読みしてしまうが、きっとそこまでの設定は考えられていないのだろう。子ども向けの作品なので、そこは置いておいていいのだ。

それにしても美術装飾が良かった。特に主人公の家の中が良かった。子どもたちを招き入れて、魔法を惜しげもなく使っていくのは面白かった。子どもが観ていたら、一番興奮するシーンではないか。ユーモアと夢があるシーンであった。
その後におばさんが訪ねてくるのもドキドキするよね。ユーモアと夢の後には、ブラックなファンタジーが待ち受けていて、それが非常に対照的で面白かった。

最後はかなりあっさりと終わってしまい、なんだか拍子抜けしてしまった。まぁ主人公が一人で無双する様は観ていて爽快感があった。
だけど、全員をカエルにし変えてしまうのは、やりすぎではないかと思ってしまう。いくら悪い魔女だとしても、同類の存在を全て根絶やしにしてしまうのは狂気に思えてしまった。そういう神話でもあるのかと考えてしまうほど、残酷に見えてしまった。神話や昔の童謡であればそういう残酷な終わり方もよくあるよね。
やはり海外ではこれぐらい過激な方がうけるのかな。考え方の違いというのを感じた。
てる

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