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シー・ラヴズ・ミーのakrutmのレビュー・感想・評価

シー・ラヴズ・ミー(2016年製作の映画)
4.6
ハンガリー出身の劇作家ミクロス・ラズロの戯曲『Parfumerie』を原作とするブロードウェイ・ミュージカルの2016年リバイバル公演の映画上映版であるロマンティック・ミュージカル。戯曲『Parfumerie』は1940年に『桃色の店』として映画化されていて、メグ・ライアンとトム・ハンクスの『ユー・ガット・メール』はそのリメイクである。また、1963年に『シー・ラヴズ・ミー』としてブロードウェイでミュージカルとして公演され、本映画はその2回目となるリバイバル公演を撮影したものである。

仲が悪くいつも言い合っているが、実は手紙のやり取りを通じてお互いに惹かれ合っている香水店の販売員ジョージとアマリアの恋の行方を中心に、他の店員たちの人間関係が描かれている。一見すると仲の悪い二人が惹かれ合っていくという恋愛ものの王道でありながら、脇役のサブプロットとともに全体的によく練られているストーリーはそれだけで見応え十分。それに加えて、歌やダンスで感情の起伏を情緒的に表現するわけだから、私のようなミュージカル好きにとってはたまらない作品である。映像を介してでも本ミュージカルの素晴らしさは十分に伝わってくるが、やはりブロードウェイの劇場で生で見てみたい。

主人公のジョージとアマリアを演じているザカリー・リーヴァイとローラ・ベナンティが美男美女で歌唱力も凄くて(ブロードウェイで演じるのだから当然ではあるが)、まさにはまり役。ザカリー・リーヴァイは俳優として映画でも活躍しているが、ローラ・ベナンティは主にブロードウェイで活躍している女優である。アマリアのキュートな感じがとても良い。さらに、香水店の事務員イローナ役のジェーン・クラコウスキーも印象的。彼女はステージを中心にTVドラマなど広く活躍しているが、個人的には『アリー my Love』のエレイン(ちょっと意地悪な役なんだけど、歌唱力が印象的)が強く記憶に残っている。ダンスシーンもグッド。
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