ねぎおSTOPWAR

君と歩こうのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

君と歩こう(2009年製作の映画)
3.8
《勝手に石井裕也祭り》

全31作品中16作品まで来ましたね。実質デビュー前のものや観ることが出来ない短編などもあるので、まーまーあと3作か。「舟を編む」は観ているんですが、あまり記憶がない状態だからもう一度観なくては書けない。だいぶイメージと流れは掴めてきましたけどね。

それにしても今作はまた面白いものでしたよ!

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34歳の英語教師と男子高校生の駆け落ち。
二人の悪戦苦闘と同時に何かが見えてきて・・・
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やはり作中に自殺者が登場するんですよね。
石井監督の映画は生命への問いが根っこにあると思いますが、中でも”自殺”って道を選ぶ人が多く出てきます。
今回も主要な人物の保護者がいなくなっている。
・・監督の友人にもパク・ジョンボムという韓国の映画監督がいますが、韓国映画でも例えばIMF事件を背景に破綻した家族の自殺が出て来たり前提になっていたりするんですよね。
日本も韓国も自殺者は多いわけで、世間をありのまま描いているだけなんですけどね。

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二人が東京に出てきてまずは渋谷なんですが「渋谷は世界中の悪が集積してんだよ」!!
まあある意味そうですよね!
また、智恵子抄ならぬ、「(渋谷川を見て)これが東京の川・・くせえ」って😆
東京って江戸の昔は水運の街だったのにね、五輪で高速整備したのはほぼ川の上。そして開発のために至る所で暗渠化していったわけで。秋葉原の駅前には昔船着き場だった公園があったのにその痕跡すら工事して消してしまった。渋谷川ももはや水量もない川でね。駅前で完全に暗渠です。

また話が逸れてしまいましたが・・
今回、性が出てこない作品です。・・かといってプラトニックというわけでもありませんがね。誰もが通るであろう道を愉快なエピソードで描いていて、こそばゆいような懐かしいような感じになりますよ!