近いのか突き放してるのか独特の距離感で描く原田眞人監督の歴史物作品の中では1番合っていたように思います。
おなじ岡田准一主演でも『関ヶ原』よりは全然良かったですし、描いているテーマも同じようなことなんですが新撰組に絞ることでより分かりやすかったです。
とにかく「形が良くねえ」と。
何かひとつ自分の中で美学を持って人生を生きることの強さと確かさを感じましたね。
どうすれば今よりも得をするのかと、椅子取りゲームに右往左往して生きるより、そこじゃない違う基準の美学に生きている人の方がどこか安定して見えることってありますからね。
多様になった今の時代の生き方の１つとして、原田監督作品が近年はそういうことを中心に描いているのは面白いと思います。
原田作品らしくとにかく口数というかセリフが多い作品ですが、決めどころではセリフを使わないのは好みでした。
鈴木亮平が演じる良い意味での神輿としての近藤、岡田准一が演じる土臭い土方歳三も素晴らしかったですが、個人的には、山田涼介がこれまでのあらゆる沖田総司の中で1番良かったです。
池田屋事件の生々しい殺陣のシーンは圧巻でした。
