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グレース・オブ・ゴッド 告発の時のkazataのレビュー・感想・評価

3.0
フランソワ・オゾン監督版『スポットライト 世紀のスクープ』的なカトリック教会の闇を告発映画をウォッチしたら……まるでドキュメンタリー映画を見ているかのようなショットの積み重ねで、「なるほど、新作『Summer of 85』のアプローチも本作由来かな?」なんて思えて興味深かったです。

(オゾン監督の初期作好きとしては「あの頃みたいな悪趣味全開な鬼才感が全然ないじゃん!」とも思うけど、流石に50歳オーバーでフランス映画界の巨匠的なポジションに上り詰めたんだから当然だよね…)

(現在進行形の事件を扱っている&近過去の被害者が今も苦しんでいるテーマを扱っているから、そりゃ禁欲的な演出にならざるを得ないか…)

オゾン監督が撮るってことで「同性愛者目線でどうこの問題を語るのか?」に注目していたのだけれども、、、早々に「同性愛と小児性愛は違う」とピシャッとぶった斬られてしまいましたね。でも「小児性愛は病気」と簡単に結論づけちゃうのは正しいかもだけど短絡的じゃないかな。

(「性的虐待によるトラウマが被害者のセクシュアリティに及ぼす影響」について考えたことがあって…結局色んなパターンになる可能性があるから「同性愛者に性的虐待を受けたからと言って同性愛者になるわけではない!」ってことは確かかと)

(でも色んな映画で描かれてきたけど、神父の同性愛=しかも小児性愛率の異常な高さの原因が気になると言うか……やっぱり虐待の連鎖的なことも関係しているような……そこんとこをもっと言及して欲しかったです)

(同性愛率の高そうなカトリック教会の聖職者連中がこれまで同性愛を認めてこなかった辺りもホモフォビアの裏返しの典型例って感じだし…)

(ってか、キリスト教の教えで"赦し"が大切なのはわかるんだけども、いろいろと"赦され"過ぎだよね……赦されるからって調子に乗っちゃダメってこと!)

(哲学の授業を取ったことある人なら常識的なことだけど、小児愛や同性愛は古代ギリシャ時代から続く普遍的なテーマなわけで…未だにLGBTQに関して的外れな発言を繰り返す議員連中のことを"保守"とか言わない方がいいよ…ってか大島渚監督の『御法度』じゃないけど日本も伝統的にBL推進文化だから!…ってつい脱線してしまいましたm(__)m)
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