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マンボウの村のレビュー・感想・評価

マンボウ(2014年製作の映画)
3.7
還暦を迎えた漁師のヒューマンドラマ。
基本早朝か夜に仕事をするため、お出かけのシーン以外は彩度が低めで全体的に陰鬱な雰囲気が漂ってます。
序盤は経済状況に苦しみながらもなんとか食いつないでいこうとする漁師の1日を淡々と映すドキュメンタリーのような形で進んでいきます。そして主人公が釣ったマンボウを観察していた生物学者と出会うところから、物語は展開していきます。
妻を寝取られ、生物学者を毛嫌いしていた主人公が生物学者と触れ合うことで少しずつ希望を取り戻していきます。精神的にも肉体的にも円熟した2人ならではの恋愛模様も魅力の一つです。
それでも生活の厳しさは終わらぬばかりか、厳しくなる一方。ついに違法漁業に手を出してしまいます。そこからの堕ちっぷりはなかなかに見てて苦しいです。
最終的になんとか生き延びる道は開けましたが、愛する人を失い、漁業も失った主人公は心にぽっかり穴を開けてエンディングに。
全てを失い、バッドエンドって感じではないですが、なんとか生きていれたけど、どん底スレスレのままっていう終わり方なので個人的にはかえってそれがモヤモヤが残って憂鬱になります。
翻訳があんまししっくりこないんで、自分で解釈することを要されると思います。
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