ひろ

イエスタデイのひろのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.9
監督をダニー・ボイル、脚本をリチャード・カーティスが務めて製作された2019年のイギリス映画

イギリスが誇る史上最高のアーティストと言えば、もちろんビートルズだ。そのビートルズを主人公以外誰も覚えていない世界で、ビートルズの名曲の数々を披露したらどうなるかという設定。この設定はすでに日本の漫画「ぼくはビートルズ」で見たことある設定なのでパクリかと思ったけど、漫画はビートルズの時代にタイムスリップしてビートルズより先に発表するというものだったのに対して、現代でビートルズを知らない世界に発表するというのが大きく異なっている。ちなみに「ぼくはビートルズ」もオススメです

音楽は大好きなので、もちろんビートルズなんか死ぬほど聴いてます。ビートルズにまつわるエピソードも好きなので結構知ってます。そして、ダニー・ボイル監督の作品も好き。イケメンのナイスガイよりマイノリティを主人公にするから面白い。脚本は「ノッティングヒルの恋人」とかラブコメで有名なリチャード・カーティスだけど、「パイレーツ・ロック」のような60年代イギリス・ロック愛が溢れた作品を監督・脚本してる人なので、もちろんビートルズ愛と半端ない

インド系イギリス人の主人公と白人のヒロインのラブロマンスというのは、ジョンとヨーコを連想させるし、ビートルズファンには結構胸にくるシーンで重要人物が登場するのもビートルズ愛が爆発している。その役を演じた俳優は見ただけじゃ分からないと思うしクレジットもされてないけど、イギリス映画ファンなら誰でも知っている名俳優

主人公のジャックを演じたヒメーシュ・パテル。オーディションで役を勝ち取った新星だ。作中の歌もライブ録音しているというからすごい。本当にビートルズを歌っているのだ。あらゆる人が歌ってきたビートルズを自分が初めて歌う設定で。これってすごい。ヒロインのエリー役のリリー・ジェームズ。ジャックのマネージャーだけど、教師だから現実的な考え方で、それが焦ったくなるんです。ラブコメのヒロインとしてはいい感じ。後は本物のスーパースターであるエド・シーランが本人役でジャックの引き立て役を演じているのが笑える

星の数ほどある名曲の中から選ばれた楽曲。ジョージ・ハリソン作曲の「Here Comes The Sun」やタイトルにもなっている超名曲「Yesterday」などビートルズファンじゃなくても知っている曲がたくさん登場する。改めてビートルズって素晴らしいなと思えた。ダニー・ボイルの映画ってシンプルだけど響くメッセージがこもってて好感が持てる

まあ設定的にビートルズがいない世界の時点で、音楽の在り方自体が変わってしまう。ビートルズがいなかったら今の音楽もないと思う。今の機材で録音したらそれは違う音楽。楽曲が素晴らしいだけじゃなく、機材のない時代に工夫して新しい録音の仕方を発明したりしたビートルズの偉大さは語り尽くせない。こういった設定にそんなイチャモン言ったら成り立たないのでここまでにするけど、本当にビートルズって最高だなあって思える作品でした。アビー・ロードを歩くポスターもよかった。とりあえずビートルズ聴こう
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