アむーレ

転がるビー玉のアむーレのレビュー・感想・評価

転がるビー玉(2019年製作の映画)
3.4
東京の再開発が進む渋谷で、ルームシェアをして暮らす3人の女の子。
それぞれに夢がありやりたいことをやっている3人だが、大都会に揉まれながらその目的のために頑張りながらもなんとなく流されるように生きていることに気づく。
その不甲斐なさに傷つき葛藤する自分と、それを支え合う友情を描いた作品。

最後の歌『転がるビー玉』良い!
この歌詞でこの物語の全てを表しているようで、ジーンとくる。

自分も東京に出て夢を持って生きていた過去があるので、この若い頃の○○をしたいという気持ちと、でもなんとなく流されてしまうという気持ち、両方とも共感出来た。

ただ、ストーリーの起伏が乏しく平淡に感じてしまい面白味に欠けた印象を受けたかな。
3人の何か行動を起こすきっかけとなる事件のような転換点がありそこをきっかけとしたスピード感の緩急やメリハリがあると良かった。

それと、大学へは進学せず歌をやっている子やモデルを目指す子、雑誌の仕事をしている子、環境の違う3人がどういう経緯でルームシェアを始めたのかは描かれても良かったと思う。
また、街の再開発で3ヶ月後に立ち退きしなければならないという通知を受けてからそれぞれの登場人物が挫折し、最後の日に屋上で『転がるビー玉』を歌うのだが、その後の3人は夢を諦め心を整理する日(リセット、リスタート)となったのか、心を入れ替え挫折を糧にさらに夢に向かって頑張っていくきっかけの日(パワーアップしたチャレンジ)となったのか、いまいち伝わりにくい感じがしました。
それと、ストリートライヴに何度も通って悲しい表情をしていたサラリーマン…あの人のその後が心配です。自殺なんかしていないだろうか。何度も通ってたのでギターのエリカと何か会話して物語が発展していくのかと思っていたら最後まで謎だった…
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