いずぼぺ

マウトハウゼンの写真家のいずぼぺのレビュー・感想・評価

マウトハウゼンの写真家(2018年製作の映画)
3.6
この瞬間を永遠にしろ

オーストリアのマウトハウゼン強制収容所はホロコーストのための収容所ではなかったが他の収容所に近しい犠牲者を出しているとか。
収容されていたのは、反乱分子や犯罪者などとされ本作でも描かれているのはスペイン🇪🇸フランコ政権から見捨てられ国籍も剥奪されたスペイン人たちである。
とはいえ、当時の収容所を管理運営するナチスドイツ側の人間にとって「何人か」なんて気にはならなかっただろう。収容する側かされる側かしか問題ではなかっただろう。
しかしそのナチスドイツ側の人間たちも「いいとこをしている」とは思っていなかったようで、「後々これはマズい」とわかっていた書類や記録を連合国軍の接近前に破棄していたようである。
その「破棄」を免れた資料が今日私たちに人類の愚かさを伝えてくれている。
ネガに焼きつけられたその一瞬は、永遠に忘れてはならない。永遠の゙記憶としなくてはならない。

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