掛谷拓也

主戦場の掛谷拓也のレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
3.7
復古主義、レイシズム、セクシズム、ルッキズムなど差別主義者が語る内容はひどく途中で止めては何度も見直したので最後まで見るのに何週間かかかった。代表的な歴史修正主義者に語らせた後で反証を流すという形式が一方的だという批判もあるようだが、ドキュメンタリーはこういうものだろう。南京事件はなかったとにこやかに断言する日本会議の加瀬英明が、慰安婦問題や南京事件について他人の書いたものは読まないという発言。櫻井よしこの後継者と言われ南京事件はフィクションだ、慰安婦は売春婦だと事態を矮小化していた日砂恵ケネディが秦郁彦の本を読むことによって右派から転向し、これで自由になれたという発言。小林節の一貫した右派への批判。杉田水脈とテキサスなんとかのマネージャーという男性の人権意識のない軽薄で醜悪な様子。インタビューを断られたという秦郁彦などの議論は書籍の形でも紹介できたのではないかという気がする。あと櫻井よしこは意外と英語を話すのがうまい。(慶應文学部中退からハワイ大学卒、クリスチャンサイエンスモニターでジャーナリストの経歴をスタートしたということなのでそれは当然と知った)というか、櫻井よしこってどこかの神社の敷地に対価なしに住んでいるということなので、神道業界の利害関係者だよね。あと、加瀬英明がオノ・ヨーコといとこ同士というのはへえという感じ。