ゼロ

ミッドサマーのゼロのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.5
明るいことが、おそろしい。

ポスターが花飾りをつけた女性のアップに、背景が空だったので、爽やかな映画かと思いましたが、真逆でした。

物語は、主人公のダニー達が、留学生の故郷のスウェーデンの夏至祭へと招かれる。のどかで魅力的な自然に囲まれた場所に、住人が白の衣装で統一されていたことに、少し違和感があったのだが…というもの。

作品としては、恐怖を煽る音の使い方が上手かったです。何気ない村の散策でも恐怖を感じる音の演出は見事でした。

また映像も良く、スウェーデンの自然が良かった。景色が綺麗であり、更にカメラの使い方も良かった。例えば、キノコを食べて決まった時の演出が、視覚的に表現できていました。

そして、正面からエログロを描いており、例えば、終盤の性の儀式ではダニーの彼氏のクリスチャンは、そこで知り合った女性と変な薬をキメながら、性行為をするシーンは滑稽でした。たぶん周りに女性がいて、女性の喘ぎ声を真似ているのがおかしかった。

カルトとして起こりそうな、命の貢ぎ物、良く分からない女王の決め方、倫理観がおかしい人殺し、理解不能な性行為、独自の規則に乗っ取った文化…など、一通りが揃っており、それを上品に描いていました。まさか2019年制作の映画で、こんな作品が作られるとは思いませんでした。

お話としては、胸糞悪いので好きではないのですが、留学生・ペレの故郷であるホルガ村が本当に実在するかのような作り込みや雰囲気が良く、作品としての質は高かったです。

総括としては、普通の映画を観るのが飽きた人にはおすすめの作品でした。私は、1度観ただけでお腹いっぱいでした。
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