ニューヨークのパンク詩人で作家のJim Carrollがヘロイン中毒だった10代の日々を綴った”The Basketball Diaries“(1978)(日本盤『マンハッタン少年日記』)を原作に、Bryan Goluboffが脚色、Scott Kalvert監督作。
なんと原作者のジム・キャロルはパティ・スミスの強い要望により自身のバンドThe Jim Carroll Bandを結成した云う。
同じくジム・キャロルのファンだったThe Rolling StonesのKeith Richardsの計らいによってアトランティック・レコードと3枚のアルバム契約を結ぶことになる。
そのThe Jim Carroll Bandの代表曲は“People Who Died”という曲で”E.T.”でも流れたそうだが記憶にない。
Zack Snyder監督の“Dawn of the Dead”(2004)のエンドロールでも流れているそうだが…
とにかくニューヨークパンクのヘタウマというか…ハッキリ下手くそだと思う歌声を堂々と歌いきる様がパンクなのかな…と思う潔さ。
そんなジム・キャロルが本編でサラリと登場している。若きジム・キャロルを演じているLeonardo DiCaprioがジャンキーの溜まり場で決まっている時に、横でべらべらと話している男が本人。
1996年。高校1年だった自分は、この頃から映画をよく見るようになっていたが、ディカプリオなんて顔がいいだけだろ?と完全に舐めていてスルーしていたのだが…
いまのディカプリオから改めて若きレオ様を見ると、すでにこの頃からキレキレである。ずっとオスカーから縁遠い存在だったというのも疑問に思えてくるほどの怪演ぶり!今作で獲っててもおかしくない。
まぁ内容が内容だけに…これではオスカーは難しいだろうけど…
いやぁ完全にナーメテーター!
素晴らしい壊れっぷり。
さらに筋肉バカっぽい若きMark Wahlbergの無駄に太い上腕もオモシロイ。顔とカラダに対してのミスマッチの腕の太さが何ともバカっぽくて最高である。なんでそんな太いの?
ジャンキーのJuliette Lewisも板についているし、久しぶりに彼女のお顔を拝見して嬉しく思う。そういや昔好きだったような…
バスケットのコーチであるスウィフティ役を演じたBruno Kirbyの鼻の下に汗をかいた気色の悪い顔も最高!カメラに顔を寄せないで!と本気で思ってしまった…なんでいつも鼻の下に汗かいてんだよ!それホンモノ?仕込み?どちらにせよ気持ち悪いと思わせてるんだから100点のシゴトをしてる。
シャワー室でオレを待ってたのか?と勘違いしてドンドン先に進もうとしてるのとか…ホントに気持ち悪い!この気持ち悪さを出せるのがね素晴らしい役者さんである。
Ernie Hudson演じる黒人のレジーも素晴らしい。ジムと1on1やるシーンから、人の良さが滲み出てる。雪の中で倒れてるヤク漬けのジムを助けてあげるのも頷ける。モーガン・フリーマンのような包み込む優しさを感じる。あ…“Ghostbusters”の一員なのね。見てないや。あまり興味なかったのだが、この人目当てで見ようかしら…
少年院の6ヶ月がサラリと飛ばされことにより、ラストの舞台でのモノローグ?もよくワカラナイのだが…
最後に何がしたかったのか?何を伝えたかったのかは、ちょっとよくわからなかったが…レオ様のブッ飛び具合には、後の“The Wolf of Wall Street”のJordan Belfortに確実に繋がっているものを感じて、レオ様レオ様とキャーキャーされているのを、どうせ顔だけだと決めつけて妬んでいた自分を責めたい。ごめんなさい。
Lorraine Bracco演じるジムの母、
「”悪魔は暇人に手をのばす”のよ」
コロナ禍で暇人と化したオレに間違いなく悪魔は忍び寄っている。