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帰ってきたムッソリーニのshironのレビュー・感想・評価

帰ってきたムッソリーニ(2018年製作の映画)
4.5
ん?このあらすじ『帰ってきたヒトラー』にそっくりだなぁ。と思ったら…『帰ってきたヒトラー』をベースに、舞台をイタリアに置き換えた映画でした(^^;;
『帰ってきたヒトラー』は2016年のベスト3に入る程、お気に入りの映画です!
ヒトラーの無茶苦茶な演説に笑いながらも、いつしか聴き入っている自分に気づく恐ろしさ。
出世欲の為にヒトラーの人気を利用しようとする人々と、
そんな人々に利用されているようでいて、実は自分自身の目的を果たしているヒトラー。。。
いや。そもそも、目的があって帰ってきたのではなく、国への不満を募らせている人々のパワーが呼び寄せたのではないかと思えてきます。
失業と移民問題。人々がわかりやすい敵を欲しているタイミングで現れるのだとしたら…:(;゙゚'ω゚'):
ろくな対策を取ってこなかった政府としても、問題点のすり替えができて好都合だし、
戦争にでもなった日にゃ、一部の企業は大儲け。
可愛いカップルの存在が後半の鬱展開の理不尽さに拍車をかけ、NOを唱える声が消されてゆく恐ろしさも。
そして、ヒトラーも怖いけど、女も怖い。(^^;;
鑑賞後ボディーブローのようにジワジワ効いてくる映画でした。

これが“イタリア”で“ムッソリーニ”だと、どんな風になるのかしら??と、興味津々。
いかついスキンヘッドのムッソリーニさんは、ビジュアルではあまり笑えないので、ソックリ芸人いじり的な面白さは少なく、ヤバイおじさんポジでした。
血が混ざり合うのを嫌うところが強調されていたように感じましたが、日本のような島国にちょっと近い感覚なのかしら?
見比べてみるのもオススメです。

人々が徐々に戦争へと流れていく経過を見せられたような、現代社会に一石を投じる内容であり
結局、強すぎるナショナリズムは諍いしか生まない気がしました。
私なんて、すごく流されやすい性格なので、負の歴史を繰り返すことのないよう、肝に銘じないと。( ̄^ ̄)

もし日本版を作るとしたら、誰が現代に蘇るのか…
アメリカ版はわざわざ作らずとも、既に出現している気がして怖いです。σ(^_^;)
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