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広告会社、男子寮のおかずくんのsanbonのレビュー・感想・評価

2.5
いや、ホモかよ。

今作は、2019年に放送されていた連続ドラマの劇場版であり、広告会社の男子寮に住まう同僚4人組が、毎週末の夜一つの部屋に集まりただ飯を食べるだけの作品となっている。

まあ、実際は新入社員の主人公が、仕事に悪戦苦闘しながら成長していく姿がメインで、その締めくくりとして毎回食事シーンが最後に用意されているという構成で「飯テロ」ドラマが好きな僕はなんだかんだで最後まで見ていたのだが、その当時から紹介される料理が大して唆られるものじゃないというか、いやに素朴な物ばかりで、不思議なチープ感が全体的に漂う変わり種ドラマという印象だった。

そして、出演者もほとんどが初めて見るレベルの無名な俳優ばかりだったので、それがまさか映画化までされるとはまさに驚きだ。

それにしても、このような深夜帯にひっそりとやっている小規模ドラマがごく稀に映画化される現象は、どこに勝機を見出して企画が通っているのかめちゃくちゃ疑問で仕方がない。

どのくらい勝算があって、どのくらいの収益を見込んでいるのか。

また、それがどの程度達成されているのか、そんな下世話な事ばかりが気になってしまう。

ただ、今作で主人公を演じているのは「2.5次元俳優」というよく分からないカテゴリに属している「黒羽麻璃央」という爽やか系イケメンであるから、彼のファンに向けた作品というのは確かだろう。

その為か、登場する男子がやけに物腰が柔らかいというか「○○じゃね?」じゃなくて「○○じゃないかな?」みたいな、全く男らしい喋り方をしないキャラクターばかりで、普通そういう"優男"タイプは一作品にせいぜい1,2人いればいいところ、今作は9割がその成分で構成された優しさ過多のバファリンみたいな雰囲気だったから、僕はなんだかドラマ段階から凄く不思議な感じをずっと受けてしまっていたんだよね。

そして、映画化されるとそれがもう爆発したみたいに隅々に溢れかえっていて、僕は思わず「いや、ホモかよ。」って声に出して言っちゃってたんだ。

だって、休日に男子2人で江ノ島にやってきて、ソフトクリームとか団子とか食べさせ合いっこして、海岸で追いかけっこしたり馬跳びしてはしゃいでるんだよ。

25,6才くらいの自立したいい大人同士がだよ。

そりゃ「いや、ホモかよ。」って言っちゃうよね。

よくよく調べたら、脚本家のおねいさんはいわゆる「BL」ものをよく書いてる人みたいで、もちろんマリオっちのファンに向けたサービス兼戦略なんだろうけど、ファンのみんなも25,6才くらいの自立したいい大人同士が、不相応なはしゃぎ方してるのを見て「ヒギィッ!素敵ぃ!!」って思うのかな?

クールな感じでセクシーな絡みなら分かるんだけど、これは多分ファンのみんなも「いや、ホモかよ。」としか思ってないような気がするんだよね。

そしてなにより、原作漫画はそんな要素1ミリたりとも含んでないと思うので、レイプ犯は捕まった方がいいと思いまーす!

ちなみに、今作は男子寮で食べる食事シーンや、主要キャラの先輩2人の存在をいつも以上に持て余していたので、これなんのドラマの映画だっけ?って感じでもう何が何だかよく分かりませんでした。
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