まりぃくりすてぃ

広告会社、男子寮のおかずくんのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

1.2
くだりゃんにゃー。ヘタの見本。


☆いいとこ☆

なし。麻璃つばの砂浜上の戯れ(&ラストの四人組の戯れ)は、やりようによってはホッコリピョン(なサービスカットの極み)になりえた。のに、自爆度キツイ。お手軽イリュージョンの好例・『少女邂逅』の左右二画面表示シークエンスなんかを73点だったとすれば、こっちのこれはまあ、いいとこ6点ぐらいかな。。。


☆いけないとこ☆

リストランテ UN FIAT FELICE の内装がおしゃれ度ゼロでしゅ。まるで老人介護施設の食堂みたいに質実剛健っ(苦)。


☆漫画原作でテレドラ経由だから確信犯(てか、未必の故意)なんだろうけど、ノーリアリティーが溢れ返る☆

① “みんなを幸せにする広告”って何よ? ………広告主(この場合はリストランテのオーナーパスタシェフ)から広告代理店(または直接、雑誌出版元)が金をもらえば「広告」(タイアップという偽装の場合をもちろん含む)、金をもらわず雑誌社(またはその委託先)が単に取材結果として執筆するものが「記事」。「是非、この店を誌面で紹介させてください」という曖昧な言い方自体はありだが、宣伝を依頼されたいのか紹介記事を記事として書きたいのか台本全体がずーっと曖昧なまま。

② ペスカトーレに赤ワイン? それとか、田中要次さんのケチくさい(出し惜しみ感ばかりある)シェフ演技、皿を下げずにコーヒーを持ってきちゃう無粋さ、店でのみんなのコナレてない食べ方、“娘に伝授する/しない”の卑近すぎてドラマ性乏しい葛藤、先述した内装面の投げやりさ、厨房の様子、どれをみてもリストランテの魅力のリアリティーが結局ほとんどない。

③ 男子同士のふれあい方・喋り方が、まるで日陰に巣食う中学生みたいに不自然。こういうのは紳士っていわないし、草食でもない。あえていえば奇形の植物(水草か何か)みたい。不自然さの極みは、若い彼らの週末ごとの晩餐。あんなオカズ量じゃ、ぜったい足りないでしょ? ダイエット中? 男の子はもっと食べなさいっ。OL寮じゃないんだから。。。。

④ 会社実務のわかってなさ。受話器取って最初に「もしもし」なんて言うはずないでしょ。「はい、ミナト広告営業二課・西尾でございます」「お世話になります」がマ・ス・ト。社会人何年やってんのさ? それに就活の時に「ぼく」なんて口にする男子は落とされます。「わたくし」「わたし」以外ナ・シ。

⑤ いつ見ても、ほぼフラットな海。なのにサーファーがしょっちゅうボード抱えて横切る。パドルの練習のためっていう特別な人以外は、そんな日にはぜったい来ません。サーフィンのことまったく知らないってことが一発バレな演出。

・・・・・・てことです。製作委員会までこしらえてかなりな人数が係わってる映画なのに、リアリティーを追うことがまったくできなかったのは、「漫画原作ならこう作ってよろしい」という商慣行にアグラをかいた脳死邦画の典型例だ。




北先輩の名刺がついてきた。