kaho

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのkahoのレビュー・感想・評価

4.3
良質なミステリーでした。冒頭からの伏線が静かに回収されて、2回目鑑賞も楽しめる。満足度がだいぶ高かったです。

世界的ベストセラー『デダリュス』。その完結編の世界同時発売という偉業のために集められた9人の翻訳家達。

徹底的に外界と遮断された地下シェルター。生活にも翻訳作業にも困らない、けれど冷たく無機質な空間。

高揚感の中で起こる、あり得ないはずの原稿データ流出と脅迫。

その時間軸と並行して、事件後の時間軸が並行して展開されてゆく。
一体犯人は誰なのか?その目的は?何が起き、そして今何が起こりつつあるのか?

少しずつ繋がっていく伏線たち。
小さな違和感が気づかせる、真実とは。。

ゆっくりと、でも少しずつスピードを上げて広げられていく感じと、静かな昏い熱量を感じさせる翻訳家たちの雰囲気と、明かされた真相も含めてとても好みでした。

何でもかんでもすぐに人と共有できる世界に少しの不安もあって、そこにこの映画が刺さったのかも。
kaho

kaho