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イヴァンのTOTのレビュー・感想・評価

イヴァン(2017年製作の映画)
2.7
精神不安定女の激情にこっちのメンタルを削られる95分。
親に捨てられ、しがみついた男性から受けた女性のモノ化の視点を内面化し「自分のモノだから一緒にいなければいけない」としか母性を語れぬ主人公。
男性の暴力と女性蔑視、愛情に見せかけた所有と支配の成れの果ての出産で苦しむのは女性。
母性を強いて、誰も救われない現代スロヴェニア社会福祉への批判。
弁護士を手なずけるほど強い妻を石女と罵り、子供を産む愛人はコントロールしようとする彼氏がクソだけれども、彼女もたいがいやかましい。
環境ゆえとはいえ泣いてばかりで話しあわない展開の極端さや、なんで全裸になる…?あぁ、初授乳で母性が目覚めて生きる希望が湧いた風にしたいのか…とか、出産シーンや赤子の視力変化とか、やけに早い里親登場とかとか、わかりやすく露骨な演出は結構冷めた。

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