それは不意の耳打ちでした
聞こえないふりをしていただけで
ずっと前から知ってはいたけど
耳の 穴の 奥に 水が
じわりと広がるような
なんて形容したらいいのか
咄嗟にはわからなくて
ただこの小さなプライドが
嫌々と許さないでしょう
角が潰れてしまった箱も
綺麗にラッピングすれば
誰かが手に取ってくれると思ったのに
リボンを解いて確かめなくても
僕らは存在してるのに
何がそんなに楽しいか
いつか わかる日が 来るんだろうか
この窓から全てが見渡せて
見下ろしてるのは僕なのに
彼等は少しも興味がなくて
視界の先にも入らない