ひろ

パラサイト 半地下の家族のひろのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.2
ポン・ジュノが監督・脚本を務めて製作された2019年の韓国映画

第72回カンヌ国際映画祭において、韓国映画初のパルム・ドールを受賞

「グエムル-漢江の怪物-」、「母なる証明」、「オクジャ/okja」など世界に衝撃を与えてきた韓国の鬼才ポン・ジュノ監督。日本の是枝監督に続いてアジア映画がパルム・ドールを受賞という快挙。しかもアカデミー賞の外国語作品賞だけでなく作品賞をはじめとする主要部門にまでノミネートされたんだから歴史的な快挙だ。邦画が先を越された感じは悔しいけど、ポン・ジュノ監督作品は好きなのでよしとしよう

不気味なポスターだけで深読みしてしまいそうになる。極端な学歴社会の韓国。その格差は半端ない。半地下に暮らす仕事もない4人家族。社会の最底辺にいる家族。そんな家族の長男が仕事をゲットすることから物語は始まる。その後はパラサイトというタイトルから想像できる展開になっていくのだが、ポスターには横たわる脚がある。つまり、そんな単純な物語ではないのだ。社会風刺のブラック・コメディとして笑える場面も多いが、後半はもう想像を絶する展開になっていく

この監督の想像力にはいつも驚かされる。漫画や小説を原作にした映画ばかり作る日本の映画界に絶望しそうになる。(もちろん素晴らしい監督もたくさんいるけど)想像しやすい導入から未知の世界へ連れて行く力量。先が読めないからとにかく疲れる。見終わった後の疲労はなかなかのもの。どうなっちゃうのという不安でいっぱいになりながら、こうなるんだよと見せつけられます

一家の長であるギテク役は韓国映画ではお馴染みのソン・ガンホ。この人はなんか凄みがあるよね。長男ギウ役は最近活躍しているチェ・ウシク。日本みたいにジャニーズ主演みたいなイケメンを使わないから作品にリアリティが出るね。こういう普通オーラの俳優の方がいい味が出る。もちろん韓国映画にもどうしようもない薄っぺらい作品もたくさんあるのだが、それは日本以外ではそんなに評価されないので、問題なし。ちゃんとした韓国映画はレベルが高い。ちゃんとした日本映画も多いのだが、ちゃんとした作品が海外で評価され逆輸入されることは大歓迎なので、邦画も頑張ってもらいたい
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