炭酸煎餅

ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男の炭酸煎餅のレビュー・感想・評価

2.5
アマプラでタイトルを見かけて以来ずーーーっと気に(だけは)なってた映画をついに観ました。

すっごいヘンな映画だった……。
観る前の情報からだと一体どんなデタラメB級娯楽映画が出てくるのかと思ってたんですが、映像の雰囲気もBGMも完全に「第二次大戦に従軍し、老境に至った元兵士。従事した対ナチス特殊任務では伝説的な成果を挙げたが、一体それが何だったというのか。あの戦争とは。自分の人生とは。身に染み付いたのは戦いの臭い。去来するのは過去の記憶。任務に断ち切られた過去の愛……」といった文芸ドラマ的雰囲気で、それだけにFBIだかの政府の人間が持ってくる「世界滅亡レベルの疫病の感染源と化してうろついているビッグフットを狩ってほしい」という話の「な ん て ?」感が凄い。
そこナチズムを信奉するテロリストとかじゃないんだ……。(一応、主人公が世界でほぼ唯一の感染症への完全な抗体を持つ人物とかいうエクスキューズはあるんですけど、ナチスキラーとしての実績とUMA狩りってノウハウ的にあんまり関係無いですよね……?)

一応映画的にはこのビッグフット狩りがクライマックスぽくて場面的にもめちゃくちゃ真面目にハンター物(凶暴な人食い熊を狩るとかの)映画してるので結構主人公はカッコよく見えるのですが、この疥癬タヌキみたいなディティールのビッグフットがまた着ぐるみ感満載でヒョロヒョロ体型(「中の人がアンガ田中」って感想を見ましたけどほんとそんな感じ)なもので「なんこれ??」という戸惑いがますます強く、一連の下りの後にはまた何事も無かったように文芸ドラマ的空気に戻るので本当に全体の中でのこれの違和感……それこそこれが「靴の中の小石」なんじゃないの?感が凄かったですね。(上手いこと言ったった顔)

話を持ちかけられて逡巡する主人公が「政府の人間が訪ねてきたよ……」「もう殺したくないんだ」とか弟としんみり話すシーンの会話の主題が「ビッグフット」なの、どうやっても笑うでしょ……

そんな感じなので☆はいっそ対象外でもいいかなあ……とか思ったんですが、わんこがひたすら可愛かったのでまあその分という事で付けてみています。
本当に不思議な映画でした……。
炭酸煎餅

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