似太郎

新宿泥棒日記の似太郎のレビュー・感想・評価

新宿泥棒日記(1969年製作の映画)
5.0
😭うおおおお〜っ…これは凄い!!!

当時の新宿の無秩序でカオスな様相をやりたい放題な映像感覚で綴った犯罪劇✖️青春群像劇の傑作。今観てもまったく色褪せない疾走感とスノビズム。

たしかにゴダールやジガ・ヴェルトフ集団の影響がモロに伝わる作風だけど、本家ゴダール作品より全編シナリオの完成度が高く、ただ単にメチャクチャやっているだけではない所が肝。冒頭とラストの「時計の秒針」がリンクする構造が誠に秀逸。これぞ腹腹時計である。

内容的にはまあ、当時の学生運動とか色々問題点はあるんでそういう意味での「若気の至り」みたいな欠点もあるが、なかなか独創的でシュールな青春映画として観る価値は大いにある。やはり「魔」の想像力は大事だね。当時のアングラ演劇(状況劇場)の第一人者である唐十郎が案内人という設定も良い。

当時の気分に任せて完全に脱構築しちゃった大島渚の怪作にして快作。ダークでヘビーな『絞死刑』と比べ、観終わった後元気が貰える。(勿論悪い意味で)😇
似太郎

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