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エル・チカーノ レジェンド・オブ・ストリート・ヒーローのSohDIRECTORのレビュー・感想・評価

3.2
原題「El Chicano」メキシコ系アメリカ人(メキシコにルーツを持ちアメリカに居住する人々)

凶悪犯罪が蔓延るLAの街を舞台に、伝説の覆面ヒーロー「エル・チカーノ」が甦る!
ヒーローオタクの私には堪りません。ラテン系初のヒーローもののようです。覆面がアステカ文明の図柄だったとこまでは良かった....

TMI...【チカーノ】メキシコ系と簡単に呼べない日本人には理解できない歴史がありました。
「ヒスパニック系」(ラテンアメリカ諸国にルーツを持つ人々)ここ数年アメリカの総人口の20%に迫る勢いです。(意外と少ないですね)
メキシコ系は63%、プエルトリコ9.2 キューバ3.5 その他中南米24.3
多数の人々がLAなどの南西部に暮らしています。

1846~48年、アメリカとメキシコ間で戦争(米墨戦争)がおこなわれ、敗北したメキシコは、現在の南西部の州(カルフォルニア、ネバダ、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコ、ワイオミング)にあたる領土を奪われました。
そうなんです!【チカーノ】はカルフォルニアの先住民なんです。ヒスパニックと呼ばれる筋合いはないんです!だから不法滞在とか移民とか
おかしな話なんです。
しかし、領土を奪われた人々は労働者階級の蔑称として【チカーノ】と呼ばれてました。「犬とメキシコ人はお断り」という看板が店舗や公共の場でも掲げてあり、差別は1950年代、1960年代迄続く。

1960年「チカーノ運動」と呼ばれた公民権運動で社会経済的権利を主張し始めます。(労働者組合、教育、メキシコ文化、統一民族党結成)
これを機に【チカーノ】は肯定的な言葉になる。
「我々が国境を越えたのではない、国境が我々を分断したのだ」とスローガンを掲げ1970年代まで様々な運動は組織されるが衰退の道に...

このようにイデオロギーやアイデンティティのある人々が【チカーノ】
なんです。
未だに続く移民問題や差別、アメリカって不思議な国です...
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