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レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-のriverのレビュー・感想・評価

3.8
Knock Down the House(原題)は、4人の女性議会議員候補者たちを描いたドキュメンタリーで、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)を中心に描かれている。しかし、他の候補者たちも、それぞれ魅力的だ。

特に共感したのは、ウエストバージニアの上院議員候補、ポーラ・ジーン・スウェアレンジン。彼女は炭鉱地の坑夫の娘として、上院選挙に出馬する。議員と企業が癒着し、山が切り崩され、公害が蔓延し、近隣の住民たちは次々と癌になってしまう。彼女は手を震わせながらスピーチをしていた。それは怒りのためか、緊張のためかは分からないけれど、心から共感できる姿だった。どこか場違いな所に来てしまったように不安げで、本当はこんな場所にいたくはないのだけど誰もやらないから...という使命感が彼女を駆り立てていた。

そして、まだ出馬を決めていなかったときから監督が撮影をしていたというAOCのメインストーリーはもちろん素晴らしい。タコス店でバーテンダーをしながら狭いマンションで夢を語る姿に、まっすぐで等身大の魅力が伝わってくる。彼女の存在に気づいた若いジョガーが、すれ違いざまに"I love you"と声をかけながら走り過ぎていく。AOCに託された希望はどこまで続いていくのだろうか。
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