いずみたつや

シー・ユー・イエスタデイのいずみたつやのネタバレレビュー・内容・結末

シー・ユー・イエスタデイ(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

強盗犯に間違われて射殺された兄を救うべく、過去へとタイムトラベルするが……といったよくある物語です。

しかし、本作の主人公は黒人であるがゆえに「今」を描いた特別な作品となっています。

ニュース映像やSNSで私たちも何度も見せられた「黒人が警察によって地面に押し倒される映像」が劇中で再現されますが、その不快さは言葉に尽くしがたいものがあります。

ラストは賛否あるようですが、僕がこの映画で1番驚いたのはそのオチの部分です。

主人公CJは何度も何度も危険を冒してでも、奪われるはずのなかった命を救おうと戦います。なぜ彼女の戦いは終わらないのか。

兄や友を救う戦いを通して浮かび上がるのは、言うまでもなく人種差別との戦いです。

繰り返される歴史が示すように、この戦いは誰かの命を救ったとして、代わりに誰かが死んでしまうだけなのでは……。

ラストが示すメッセージは重い。