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マティアス&マキシムのfuoのネタバレレビュー・内容・結末

マティアス&マキシム(2019年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

正直、最後までめちゃくちゃしんどいです…。それでも、鑑賞後に温かく純粋な気持ちが感じられるのが印象的な作品でした☺︎

マティアス(ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス)とマキシム(グザヴィエ・ドラン)は幼馴染。マティアスは婚約者がおり、マキシムはオーストリアへ旅立つことが決まっている。友人のパーティーでのやり取りをきっかけに、残された時間の中で二人の関係性が揺らぐのだった。

---以下大きくネタバレ---

全体的に明示される情報も少なく、結末も鑑賞者に委ねられるような形なので、鑑賞直後はなんとも言えない気持ちになりましたが、次第に良さが分かってくるというか…。あの場面はそんな意味だったのかと自分で解釈していくことで、とてもピュアで温かい作品に思えました。

まずは、セクシュアリティのこともありますが、とにかく素直になれないマティアスが堪らないです。煮え切らない彼の態度に最後までやきもきさせられました。ただ、その分マキシムに嫉妬する場面や、直接的な言葉ではなく間接的な行動で示すような姿勢から、確かな愛情が感じられるのが良いですね。

また、友達も親もみんな二人の関係性をよく理解しているような本作の雰囲気が良かったです。配慮している姿勢が所々感じられるのが素敵でした。ほぼ分からないようなさりげなさが良いです。

印象に残る場面もいくつかあります。中でも、台所での二人のやり取りの場面はやはり素敵でした。マキシムはずっと彼のことを待っていたんですよね。相手が言葉にしてくれないしんどさも、言葉にできない葛藤も伝わるので、その切なさが堪りませんでした。

ラスト場面も素敵ですね。マティアスの想いを電話で知る場面からのラストシーン。その後の展開については明示されないのですが、彼らの素敵な未来を思い描いてしまいます。

9割くらい切なく辛い展開ですが、ラストで一気に持っていかれるような作品でした☺︎ 二度目以降の鑑賞は違う見方になりそうで、面白そうです。
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