最高だ…これはスーパーヒーロー版"17歳のカルテ"じゃん！！
見た感じ強そうで綺麗めな優等生達が難なく地球守っちゃうんでしょ！？って感じの先入観をもってたんだけどまったく期待を裏切ってきた。X-NENにも共通するような各々の強烈な個性とそれゆえの生きにくさ、思想の違いによる対立、どれが正義なのか鑑賞者の選択を迫るようなウォッチメンとも共通する倫理観についてのテーマ性、ブレードランナー初期作にも共通するような"生とは、愛とは"みたいなテーマも入ってくる。そしてめちゃくちゃカッコいいアクションでした！とくにアンジェリーナジョリーは本当にオーラに満ちていたなぁ。さらにはMCU、明らかに群像劇のキャラクターを描くメソッドが完成してきている。アベンジャーズで積み上げた瞬間的に全キャラクターの魅力をアピールして好きにならせる演出をここぞと使ってくるので、全キャラが魅力的！ドルイグ、ギルガメッシュが一押し。キンゴもいちいち笑わせてくる
気になる点があるとすればイカリスやディヴィアンツが許されなかったこと。多様性がテーマなのであれば思想の違い、正義の違いについてどういう答えを出すのか結構重要だったんじゃなかったのかな…道徳的価値観がテーマの作品であればあるほど結構そういうディテールが気になるんだよな。結局"違う方"は"悪"で、"悪"は許さないのか…。そしてキンゴお前どこ行ってたんだ最後は！？
2回目みて上記の気になる点は総て解消された。イカリスもセルシに理解されたことでしっかり救われていたし、なによりキンゴのおおらかな考えに非常にグッと来た。現在の命も未来の命も対等に考えるキンゴはすごい。この映画は何度も見れば見るほど深みが増すし、いままでのMCUとは全く違うアプローチで感動させてくれる、そしてやはり神話を作ろうとしてるなと思ったなー。
