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色男ホ・セクのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

色男ホ・セク(2019年製作の映画)
3.6
この度ついに新型コロナに感染してしまい、自宅療養中であります。
重症化する兆しがあってコロナの薬を処方してもらえたおかげで、回復がめちゃくちゃ早く、3日目にして元の体調に戻っておりますが、隔離生活のため、1日中部屋にこもって映画やドラマ見まくって、上げ膳据え膳の夢の生活をしております。

もう、これ幸にと在宅ジュノ祭を開催中でして。
気になりながらもチャラいホストの話かと思ってスルーしてた本作に手をつけることになりました。

そしたら思ってたのと違ってて、男尊女卑の世の中で抑圧された女性達の悲哀を描いた作品でした。
男性で初めてキーセンとなったホセクが主人公なんですが、その背景には、夫を亡くした女性達が、死んだ夫の後を追う「烈女」が美徳とされ、未亡人を集めた烈女堂では、夫の死後も貞淑を守るための教育がされたりしてるというのがあり、そんな閉じ込められた女性達の心を、ホセクが解放していくんです。

ジュノはアイドルですから、踊りや身のこなしもそれは申し分ないですし、カリスマキーセンとして活躍するシーンは華やかでジュノならではの魅力が満載です。
ただ、そうして女性達を楽しませるだけでなく、彼女達が本当に求めてる「話に耳を傾ける」ことをするのが良いんです。

男性なら、酒飲んだり遊んだり或いは女遊びも自由なのに、女性は「男性のもの」だからそういうことは許されません。
一人の女性として、人間として、自分らしく生きる事が許されない、そんな女性達が抱える寂しさや窮屈さなど、心の内を聞いてくれる男性なんていないってことなんですよね。
女性たちのことを、ただ若くてきれいな男性に浮かれるオバサンとして描いてないし、キーセンの仕事に対しても見下さず、プロの仕事として描かれてるのも良かったです。

コメディなので軽く見れますが、ギャグが滑りがちなのとか、たまたま出会って相棒になるオジサンの存在感がイマイチだったり、もっとジュノの踊りとか見せてよー!って思うところもありますが、妓房で働く女性たちや、烈女堂に閉じ込められた女性たちの悲哀に寄り添うストーリーが良かったです。

しかし、日本語のタイトルが酷い!
このタイトルのせいで見る気しなかったですもん。

ジュノ 5作品目
チェグィファ 12作品目

37
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