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Dracula's Fiancee(英題)のnyakoのレビュー・感想・評価

Dracula's Fiancee(英題)(2002年製作の映画)
4.8
吸血鬼の末裔を追うため、吸血鬼の婚約者イザベルに会いに行く教授とその弟子。
さながらヴァン・ヘルシングみたい。教授は催眠術のエキスパートだったりする。

イザベルが住んでいるアンティークな邸宅は吹き抜けの巨大な書庫が見事で、そこを修道女たちが行き交う光景がとてもよい。

その修道女たちは、共に住むイザベルの毒気に当てられ狂気に汚染されていたのでなんか変。
けん玉しながら案内する修道女、パイプタバコや葉巻咥えて闊歩する修道女たち。
修道院長がタバコ吸うときに使う置物ライターが十字架の形に点滅ライト、クリスマスソングの電子音が鳴っていてその不謹慎さに笑えてしまう。

そして時が満ち、海辺へと連れて行かれたイザベルを追う教授たち。
城の中には大時計がぽつんと置いてあって、それはとても不思議な感覚だった。その時計は吸血鬼と世界が繋がっている入り口なのだ。
バラで覆われたシースルーなドレス姿のイザベル、ぽつんと大時計が置かれた薄闇の海辺、
結婚式は夢幻的な美しさ。
そして女吸血鬼が獲物に手をかける場面や末路など、血に塗れた場面も邪気に満ちている。

吸血鬼は邪な存在ゆえに悲しい予感しかないと思っていたけれど…
そのラストにちょっと心揺さぶられてしまった。
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