tetsu

COMPLY+-ANCE コンプライアンスのtetsuのレビュー・感想・評価

3.0
STAY HOME MINI THEATERのオンデマンド上映にて鑑賞。

「コンプライアンス」をテーマに、俳優で監督でもある斎藤工が旗手となり、製作されたオムニバス映画。

自粛期間中、監督の無料配信で思わぬファンになった岩切一空監督と、飯塚貴士監督の作品も参加しているということで気になっていたものの、公開が中止になってしまったところで、まさかのライブ配信が決定。

予想以上に早く観ることが出来るようになったと同時に、ミニシアターへの寄付にもなるということで、そりゃあ、観るしかないですよね。笑

作品自体は、かなり攻めた内容wなので、オムニバス映画というよりは、実験映画、もしくは、アート映画に近い感覚でしたが、それぞれの監督のいちファンとして、ある程度、見所も多い作品でした。


以下、各作品感想。


『COMPLY+ーANCE 序曲』
☆×3.1
監督:岩切一空
『聖なるもの』など、過去作同様、「美少女と海辺」が印象的な作品だった。
劇中で言及される『花とアリス』もある意味では「少女と海辺」の作品であり、岩切監督の世界観は、突き詰めれば、岩井俊二監督や庵野秀明監督にも通じているような気がした。
また、監督の「役者哲学」を反映したともいえる作中の"あるセリフ"には、過去作同様、ドキュメンタリーとフィクションの間を感じさせる独特な魅力があった。

『C.C.C.C.』
(CYBER COMPLYANCE COP CALVIN)
☆×3.6
監督:飯塚貴士
監督の過去作『ENCOUNTERS』などで使われていた人形劇風手法と、『われらのトリニティ』で使われていた紙人形の手法が融合した監督の現在の集大成的一作。
SFならではの"ある設定"を使うことで、ハッピーな展開へと進んでいく物語が気持ち良く、「コンプライアンス」というテーマに対して1つの答えを出した潔いクライマックスも良かった。
正直、もっと観たい。笑
(あと、映画のラストシーン、電気が着いた劇場で、一人だけフィギュアで遊んでる監督、面白すぎる。笑)

『COMPLY+ーANCE』
☆×3.2
監督:齊藤工
カメ止め女優・秋山ゆずきさんのインタビュー撮影を題材にしたシュールコメディ。
内容の良い意味での下らなさは、安定の齊藤工監督関連作品という印象で、それはそれで楽しめた。
若干、間延びしている感は否めないものの、実際の撮影でアドリブを求めた結果、そうなったと聞くと、かなり納得。笑

その他、MV的なものやアートっぽい表現まで、様々な映像作品が詰め込まれた本作。
総監督の齊藤工さん曰く、「複合施設のような作品を目指した」とのことで、映画館での上映の際には、更なる試みがあったとか。
そんな話を聞いていると、映画館で再び上映される日が待ち遠しい一作でもありました。

参考
STAY HOME MINI THEATER
https://stayhome-minitheater.com/
(残る上映は本日のみ。収益は全国のミニシアターなどに寄付されます。)
tetsu

tetsu