ミルコ

生きるのミルコのレビュー・感想・評価

生きる(1952年製作の映画)
4.7
続いて観てみた、この作品。
七人の侍で島田勘兵衛を演じた志村喬さんの主演作。
こちらは1952年公開というから、七人の侍よる古い映画なのですね。

テーマが素晴らしい。
毎日ただ流されて仕事をしているだけの市役所の課長である男。
ある日胃がんに侵され余命が短いことを知る。
そこから初めて生きる意味を求めさ迷い歩く。
今まで経験したことのないこと。
パチンコ、スケート、遊園地、ナイトクラブ。
一緒に行くのは元部下である若い女性。この方現実では有名なチャコちゃんのお母さんらしい。
彼女の屈託のない笑顔がとても眩しいー。

その中のあるきっかけで、公園の整備というさんざんたらい回しにされていた事業をやり遂げるという生きがいを見つける。

無気力な男が死を目前にして変わっていくさまに目が離せない。
それはとてつもないパワーで、上司、部下、やくざにだって屈しないのである。 

そしてこの話は彼が仕事をやり遂げ満足げに亡くなったあとも話が続く。
葬式にきたものがあーだこーだ言うわけだけど、一番悲しんでるのは公園の整備を望んでいた奥さんたち。
その中に菅井きんさんの姿を見つけ嬉しくなる。

そして「お役所仕事」は続く。

先日イギリスでもリメイクされたこの作品。
またも日本人でいることに誇りさえ感じる名作に出会ってしまったのでした。
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