けんけん3号

生きるのけんけん3号のネタバレレビュー・内容・結末

生きる(1952年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

イギリスのリメイクを観る前にオリジナルを見ておこうと思い、今更ながら初鑑賞。自身の死期を知り、これまでの人生を悔いる男の話。自業自得と言えばそれまでだが、仕事一辺倒な人間は、そうなってしまうのか?しかし、息子夫婦の対応には疑問が残った。渡邊は家族を愛してないわけじゃないんだけどね…。市役所という環境がそうさせたのか?その影響で家庭でもそうなったのか?いや、当時の日本社会の風潮なのか…。日本人は自分の妻のことを褒めない文化があったが、これがまかり通っていた時代。サザエさんが日本の家庭の理想の時代でもあったはずで…。ここは当時を肌で感じてないから、分からないのかな?
まぁ、死期が分かり、これらのことに気付いたから、もがくのたが、もがき方も間違っているのには笑える。とよとの交流がきっかけで公園の建設に挑んでいくが、その時にハッピーバースデーが流れのが面白い。唐突に葬儀になるのには、ちょっと驚いたし、市役所の人間の振り返りで渡邊の行動を描くのは面白かった。葬儀での会話劇はちょっとダレたかな?それでも渡邊のことをリスペクトするので、いい話で終わったと思いきや、結局は戻ってしまんだか皮肉が効いてる。でも、お巡りさんの話では、ブランコで嬉しそうだったと…。画的には嬉しそうでもあり、寂しそうでもあり…。名シーンだね。個人的には、やり切って嬉しそうだったと信じたい。70年以上前の作品だが、人間の真理って、あんまり変わってないなと…。良くも悪くも…。信念のある行動が伝わったのは救いだったけど…。だから今観ても刺さるんだろうし、考えさせられる。                  自身も昨年、父親を亡くしており、仏事のタイミングなどで「死や人生」について考えることが多かったので、よけい心に染みたかな。亡くなる瞬間は良い人生ったと思えるように生きてかなきゃな!