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ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-のmocoのレビュー・感想・評価

4.0
面白くないけど面白い。
面白くないけど面白い。
面白くないけど面白い。

ーQUOTEー
パナマ文書とは、パナマにある法律事務所モサック・フォンセカから2016年に流出した、1150万点超の文書類。世界の企業や個人によるタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態が記載されており、課税逃れが暴露されるのでは、と世界が注目した。
ーENDー

本作は、この文書が暴露されるまでの泥臭いような、はたまた一般人を小馬鹿にしたような、とんでもないコメディ。
金融、保険、ペーパーカンパニー、節税、南の島、、、
ややこしいことを、素人にも分かるように?からくりを教えてくれる。
コメディと言っても、しっかり軸があるから、面白くないけど面白い。

原題のランドロマット(laundromat)とは?
コインランドリーっていう意味なんですね、初めて聞きました。
マネーロンダリングを言いたいのでしょうが、もっとチープな意味合いを持たせたかったから、こういうタイトルなのかな?
からくりがややこしそうに見えて、でも実は一回転がり始めるとあれよあれよとお金が動く。
オーナーもサイン一つでポンポン変わって、有って無いようなペーパーカンパニーがこの世にアホ程あるのが徐々に分かってくる。
そのあっという間で手軽な出来事を、コインランドリーに例えているのですね、きっと。なるほどー。

出演者もすごい!
メリル・ストリープ、ゲイリー・オールドマン、アントニオ・バンデラス、ジェフリー・ライト、びっくりなのは、分からなかったシャローン・ストーン、嬉しかったのは「ヴェルサイユの宮廷庭師」で虜にさせられた久しぶりのマティアス・スーナルツ。
とっかえひっかえ場面が変わるので、上位3名を除いて無駄遣い感が凄い(笑)

監督も今まで知りませんでしたが、スティーヴン・ソダ―バーグで自分も10作品は観ていてびっくりした!
「オーシャンズシリーズ」「デル・トロのゲバラシリーズ」「エリン・ブロコビッチ」パンデミックを描いた「コンテイジョン」
見ごたえある作品ばかりじゃん!覚えておこう!

物語はあれよあれよと進んでいき、セリフの洪水にまたもや溺れ、種明かしされていく。一気見、必須。
ラストもお見事!
トーチをまっすぐ上に掲げるエンディングは、正にアメリカの象徴で最高にお洒落!ウィットが効いてて最高だった!

はてさて、
物語では、ほんの数カ月で釈放になった当人たち。
どんな力が働いて、マジカルな釈放になったのか。
数十年前なら、エドガー・フーバーFBI長官だったに違いないけど、昨今なら誰なんだろか?

この経済民主主義ぬるま湯に浸った私は、彼らの手のひらで日々一生懸命生きているのだと思わされ、
面白いけど面白くない。
面白いけど面白くない。
面白いけど面白くない。

しっかり儲けて信用を売る会社は怪しいのだな(笑)
 →後日、実際の日本の企業の名前も見てしまった...





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前回クルーのドラマ、山崎賢人君の「アトムの童」で、ジョン・ドゥ―と名乗っていたのが、本作でも出てきてビックリした。
アメリカ版の名無しの権兵衛という意味なのですね。


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北海道の観光船沈没事故が頭をよぎるので、こういう出だしにして不謹慎極まりないことにお詫び申し上げます。


1992
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