ニカイドウ

少年の君のニカイドウのレビュー・感想・評価

少年の君(2019年製作の映画)
3.8
中国映画。
やっと観れた。『ソウルメイト/七月と安生』の監督さんの作品。主演も同じ女優さんで気になってたんよな。
心に響く名作でした。
あらすじは書かないでおきます。どんでん返しが…とかじゃなくて、書かない方が良い映画な気がします。
結構…いや、かなり精神的に辛いシーンが多い。
それでも、絶対に観るべきメッセージ性のある映画でした。
半ばスパルタのような教育を受け、良い学校へ行けば良い会社に就職出来ると言われた続けた就職氷河期世代には懐かしいような…高校受験時の、第一ゼミ○〜ルの夏休みの地獄の強化合宿を思い出したよ…
トラウマに気をつけてご鑑賞下さい。

ただ、映画としては少し不満な部分も。
本編の前後に言いたい事を全部言葉で表してしまってる。文字で表記してしまっている。
作品内でしっかりと観せているにも関わらず、それでも観る者の少しの読み解き方の違いで、「間違った結論」になってしまわないようにという…監督の強い強い感情、強い強いメッセージを感じる演出やとは思う。
けど、映画としては蛇足…
作品の完成度よりもメッセージを正確に届けることを選んだ監督の真摯な優しさは本物やと思うし、そういう大人の存在を子供達に伝えたいって気持ちはこの作品内に出て来る若い刑事に受け継がれている。
…そうなんよ。文字にせんでも本編に全て描かれてるんよ。
泣きそうになるくらい切実で大切なメッセージが。
それだけに映画として、映像やストーリー、台詞などの映画的アプローチで伝えて欲しかった。間違った受け取り方を恐れず、観る者に委ねる余白を与えて欲しかったなぁと思ってしまったんよな。
そして、これ観たら『ソウルメイト/七月と安生』も観て欲しい。テーマは違うけど、映画的アプローチで勝負してるから。

…トミナガくん、元気かな?(この一文は映画とは全く関係ありません)
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