horahuki

血を吸う粘土~派生のhorahukiのレビュー・感想・評価

血を吸う粘土~派生(2019年製作の映画)
3.5
カカメちゃん再び!

東京への思い(怨念)を乗せた人喰い粘土カカメちゃんが、またまた芸術家志望の女子たちを食い散らかすという安定感。今回はあんまり東京への恨み辛みは感じなかったけど、ノリノリだった特殊メイクと造形が更にパワーアップしててめちゃ楽しい!

『ハングマンズノット』『ファミリーウォーズ』の時の舞台挨拶で、藤井さん主演で本作を製作してるって宣伝してたから、その時から期待しかなかったんだけど、藤井さん含めて高すぎる顔面偏差値の暴力が低予算感を一切感じさせなくて、ホラー秘宝→シッチェスへと出世なんだか何なんだかわかんないけど、とりあえず気合いの入れようがすげぇなって思った。これもしかして誰も死なないのでは?と邪推しちゃうほど。というかあの芸術家のオッサン色々言ってたけど、絶対顔で選んでるよね…。

前作は色々と大暴走なエンドを迎えるから、派生って言ってもどんな風に話を持ってくのかと思ったら、前作の事件後、大暴走前に舞台設定してるってことでいいのかな?どちらにしてもアイナ先生続投は嬉しいし、しっかりツダカンも物語の繋ぎに役割果たしてて、ちゃんとした続編になってて良かった。それでもツダカンは完全に無駄遣いやと思うけどね。良く出てくれたよね😅

やたらとモチーフとして使われる六角形はなんかな?と思ってたら、藤井さん曰く六角形の完璧な形状とグチャッとした粘土のカカメちゃんを対比?させて、完璧→崩れたものへと変容させるところを見せる意図とのこと。それにしても参加者の六角形アート凄いね!個展開けなかったのが勿体ない!

そう思うと整った6人というキャラクターたちが1人ずつ消えていくという均整の崩壊の物語という意味だけでなく、あの姉妹の硬質な関係がほぐされるという意味でも崩壊の物語なんでしょうね。というか、こんだけ人が閉鎖空間にいてイザコザがほぼ起きないってのが意外だった。なんやかんや、みんな良い人でほっこり。

腕から手がニョキニョキ生えてきたり、どう見てもチ◯コにしか見えない形状のモノが伸びて来たりと人体をどう弄ったらキモいかな?のアイデアが次々に出てくるのが求めてたもの見せてくれる感あって良かったし、何より、「それめっちゃ効率悪くない?」と思わずにはいられないエサの食べ方するもんだから、もし粘土が動いたらこうするやろなっていうリアリティではなく、とにかく粘土でこういうことやりたいんや!っていう遊び心重視な姿勢が貫かれてるのが堪らなく良い。

というか今回のシッチェスって全部ホラー?日の丸は違うのかな?
horahuki

horahuki