Asino

ルース・エドガーのAsinoのレビュー・感想・評価

ルース・エドガー(2019年製作の映画)
3.8
5/15
ずっと気になってたのに後回しになってた作品。
アフリカの生まれ故郷での内戦のため孤児になり、特殊な環境で育っていたけれども保護された少年が、アメリカの白人夫婦に引き取られて、学校を代表するような優等生になっている。
けれどもそれは表面的なものかもしれない?という疑問が示されるところから始まる。
すごいスリラーっぽい演出がされてて事態は想定してなかった方に進むので、確かに面白いのだけど、これはどうなんだろう。

教師からの言葉に動揺し、夫と意見が対立し、迷う母親の目線で話が進み、少年が本当に何を考えているのかは、映画を見ている人には様々に暗示されはするけど、はっきりと言葉にされる訳じゃない。
何年もカウンセリングが必要だった特殊な生い立ちの子供じゃなくても、実の子供でも「本当に子供が何を考えてるのかは分からない」と思うと怖いと思うことはあるけれど、彼らの場合はさらにそこに、優等生である少年への周囲からの期待とか、人種問題などもからむ。

悪いところのない人はいないという描きかたはうまいと思うし、テーマは分かるんだけれど、映画のなかで展開する策略があまりにもどろどろしているというか、仕返しにしてもそれはない、って感じだったのでどうにものれなかった。
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