最近感想が追いつかない…!
12/11鑑賞。いや全然鑑賞されてなくて悲しいよみんな観てよ。カンバーバッチとネコが戯れる神映画だよ
ネコ画家として有名なルイス・ウェインの電気映画…いや、伝記映画。
不勉強でお恥ずかしいのですが、彼の名前は知らず、絵もまあ見たことあるような無いような…そんなレベルでの鑑賞だったんだけど、いや〜〜良かった。
病に苦しむ才能ある人物とそれを支える人(妻)という話だと「ビューティフル・マインド」「博士と彼女のセオリー」あたりが思いあたる。前者なんてまさに統合失調症の話ですし。
本作もそんなある種ジャンル化された既視感のあるプロットなのだけど、「ネコ」と「電気」という要素がそれぞれ、
ネコが『見方を変えれば愛おしいことに気づく世界』を、電気が『化学的には説明できない人間の感情エネルギー』を意味するという、モチーフに対して物語上のテーマとの関連付けがなされているのがなんとも巧い!
プリズムも「光(世の中の見方)を屈折させ、愛おしく変えるもの」という意味を持ってるし、そういうメタファーが分かり難すぎず見つけられて、心地いい映画。
原題の「The electrical life of Louis Wain(=ルイス・ウェインの“電気に満ちた”人生)」なんてのも鑑賞後に見るとすごく心にジーンとくるものがある。
そんな優しさと共に、悲しみというか…遣る瀬無さも同じくらいあってかなり感情が動かされた。
特に統合失調症が悪化してゆき、彼とその家族の人生に影を落とすまでの緩やかな時間の流れが、結構悲しくて怖い。登場人物と鑑賞者の両者にとって「ちょっと変わってるけど面白いヤツ」という印象が変わってゆくのがよく分かるし、それが絵の変化からも伝わってくる。
そんな中でも前述のテーマたちはすり込むように登場するので、愛おしさと悲しさのバランスが保たれてる感じがする。
王道をなぞってるから観やすく且つ、チラリと脚本家の力が光る良き作品でした。