ヒロシー

地獄の黙示録 ファイナル・カットのヒロシーのレビュー・感想・評価

4.5
恥ずかしながら初鑑賞。IMAX。最初のヘリの音がどこから聴こえてくるか、それが体験だけで大満足です。ベトナム戦争の背景や基礎知識は常識として、戦争を以下に映画として伝えるかという問題に、限りなく完璧に近い回答を提示した作品であることは間違いありません。芸術的なセンス以上に瞬間的な奇跡を積み重ねたコッポラ映画特有の力技が目立っているものの、そこから生まれる狂気を見事に余さず画面に残している。豪華過ぎる舞台と何百億かかっているんだという資金、それだけが生んだものでは決してない。特にキルゴア少佐が率いる部隊の爆撃シーン、ワーグナーが鳴り響くと分かっていても圧倒される。前半100点、後半0点という評価をよく聞くけど、マーロン・ブランドが見られるだけでも100点でしょう。

『1917 命をかけた伝令』と同じ月に再上映されたのは奇跡かもしれない。本作が戦争映画に与えた影響は大きすぎる。ほとんどが本作に挑んでは打ち負かされている。『この世界の片隅に』も、原作と映画どちらも影響下にあるんじゃないか?
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