イマジンカイザー

地獄の黙示録 ファイナル・カットのイマジンカイザーのレビュー・感想・評価

5.0
昨年、午前十時の映画祭で鑑賞してはいましたが、IMAXの大音響・大スクリーンで観るナパームはまさに『格別』。サーフィンの為に村を焼き払うキルゴア中佐、指揮系統が無くなってなお戦うことしか選べない一兵卒連中。船に乗って先に進む度、観客もベトナム戦争の狂気を体感し、納得できる地獄仕様。
『1917』のワンカットで魅せる体感型戦場も凄まじいけど、画の暴力はこちらも負けてない。映画も地獄なら造る側も地獄。人員もセットも、よくこの規模を動かせたなと思うばかり。

敵も味方も倫理のネジが弾けているのだけど、それを指示する連中は皆安全圏で踏ん反り返っていて。本当に狂っているのはどっちなのかわからなくなってしまう。
観るだけでお手軽に戦場の歪みを体感出来る三時間。そりゃあ帰還兵はみんなしておかしくなってしまうわな……。