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地獄の黙示録 ファイナル・カットのarchのレビュー・感想・評価

4.7
地獄は体験しないと伝わらない。言葉でそれを再現することは不可能だ。と、カーツ大佐は言っていた。
コッポラはその"体験"を映画にて再現した。
それはまさに"地獄の顕現"を成功させている。

全てのシーンが鮮烈で斬新。戦争の恐ろしさや人間の獣性をしっかり描いている。
全編のあの過激なシーンの数々が実際にセットを作ったり、CGなしであることが本当にすごい。

命や罪の境界線が限りなく曖昧で偽善や建前のある狂った戦争の中で、自らの国を作り上げたカーツとそんな世界でしか生きられないウィラード。
彼らの出会いはラストにしか無いがしかし、ウィラードの頭の中では何度も反芻してその出会いは運命的で再会のようである。

本編は川を上流に昇りながら進んでいく。その光景は現実世界から非現実の異世界に入り込んでいくようである。およそそれが実世界とは思えない世界の構築が素晴らしかった。

凄まじいものを観ることが出来た。
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