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くじらの湯のくりふのレビュー・感想・評価

くじらの湯(2019年製作の映画)
3.5
【女湯の神秘】

U-NEXTにて。ペイント・オン・グラスによる短編アニメ。ある幼女の、母に連れられての銭湯体験。

キヤマミズキさんの作品はお初。本作に普遍性はなく、幼女の個人的な感覚に依っている。が、これがオモシロイ!彼女にとっては銭湯が、巨大でエキゾチックな空間らしい。

女性作家らしく、メイルゲイズから逃れた画にセクシャルは無く、男でも罪悪感無く愉しめる。www

汚れを落とし、疲れを取る入浴という行為が、幼女の眼にはかなりズレて飛び込んでくる。まさに“不思議な風呂のアリス”だが、母親との距離感がここまで開いてしまうコトには含みを感じる。幼い想像力が成せるスケール感は、恐怖もあったのでしょうか。

作者の母親は在日韓国人だそうだ。水墨画でサンドイッチしたような作風は、そこに影響しているだろうか?個人的には、中東に迷い込むような感覚がオモシロかったけれど。…ニッポンの銭湯なのに!

湯処にあつまる女たちは、幼女にとっては優しき進撃の巨人のようだった…。

<2024.5.17記>
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