メタ壱

ザ・デイ・シャル・カム/オレたちの聖戦のメタ壱のレビュー・感想・評価

3.8
白人による支配からの開放を目的とした革命組織のムスリム黒人リーダーの男。
しかしその実態は何の影響力もない弱小な組織を細々と運営する平和主義で家族思いな優しい男だった!
そんなほぼほぼ人畜無害な男にFBIや警察の魔の手(?)が迫る!

中身のない抜け殻となった形だけの正義が、存在しなかった“悪”を生み出すという歪んだ社会構造をユーモアと皮肉たっぷりに描いた社会派コメディ作品。

正義はそりゃあ正しい訳ですが、本当に正しい正義をブレずに維持するっていうのはとても難しい事なのだと思います。

日本でも、拳銃の検挙率を上げる為に警察官自ら拳銃を密輸していたなんて事件もありましたし、警察には交通違反の検挙数にノルマがある(間違ってたらすみません;)なんて本末転倒な話を聞くと、正義ってなんだっけ?って気持ちになります。

平和の為に正義が行使されるはずが、正義を行使する事そのものが目的になってしまう。
そうして無かったはずの悪が正義により作り出されてしまう。
それは最早正義などではなく悪そのものなのでは?

でも自らの愚かさを知り反省出来るのもまた人間。
「100の実話を基にしている」という文言が冒頭で映し出される本作ですが、こういう作品を通して人間が人間そのものを省みるのはとても大事な事だと思います。
メタ壱

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