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シチリアを征服したクマ王国の物語のnamのレビュー・感想・評価

3.8
「権力を巡るクマたちのゲームオブスローンズ !」

吹替にて。
御目当ての作品が満席のため急遽こちらの作品を。
フランスのアニメーションで、原作はイタリアで1945年に生まれた児童向け文学との事です。

基本的にはまるでおとぎ話のように人間とクマたちのストーリーですが、クマは人間のメタファーであり権力を巡り国同士で争い合う社会風刺的な要素も詰め込まれてます。

ルックはアートアニメーション的でどのシーンも背景やキャラクターのデザインが観ていて飽きないですし、ストーリーも前半は人間たちを攻め込む大勢のクマたちですが、いい事があるとみんなで一斉に小躍りする姿はなんとも微笑ましく癒されます。

そして後半ではそんなクマたちがタイトル通り国を征服した後が描かれ、前半の牧歌的な救出劇から権力を巡る、騙し合いが始まり、やや大げさに言うとさながらゲームオブスローンズ のような様相も呈してくるので意外にも楽しめました。

鑑賞は吹替でしたが声優として好きな伊藤沙莉さんが少年役をやっていたので知らずに見始めたので、あの独特な少年ボイスが聞けてラッキーでした!鑑賞後に知りましたが柄本佑さん、リリーフランキーさんも演じていたので違和感なく物語に集中できた程見事な演技でした!

元が児童文学でもあるので子どもももちろん楽しめつつ、アートな世界観は大人でも一見の価値ありです。
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