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ハルカの陶のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

ハルカの陶(2019年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

東京でOLとして働くヒロインは、デパートの備前焼展で見た大皿に心を揺さぶられて、その作者に岡山県まで会いに行き、そのまま弟子入りを志願してしまう。人間国宝の陶芸家の手引きで見習いとして働くことになったものの、師匠はヒロインになかなか心を開こうとせず...という話。
原作漫画を数話読んだ程度の知識で鑑賞。

備前焼文化と職人の仕事にかける情熱はていねいに描かれているものの、ヒロインとその師匠の成長が上手く伝わってこない惜しい作品。
悲しい過去があるのは分かるが、師匠がいわゆる「背中で語る」タイプの男で、真摯な姿勢で仕事はするものの口数少なく短気な性格なので、彼の家庭の事情が分かるまではかなり不快な人物に感じた。漫画のあらすじを読むと心を閉ざしている訳やヒロインを拒絶している理由が割と具体的に書いてあるので、映画では省略したのかもしれないが。
その彼が一度はヒロインを追い出すものの思いとどまって引き止めに行くのだが、引き止める理由も人間国宝のお爺さんに作ってもらっているようでいまいち納得できなかった。その人間国宝のお爺さんの理屈も所々常人には分かりにくいものだった。師匠が身体壊すシーンでは「体調管理も仕事のうち」という言葉がぴったりだと思ったり。
ヒロインも明るくひたむきに頑張るところは爽やかなのだが、師匠に彼女のことを認めさせる過程がかなりグダグダ。師匠には無い彼女の良さや才能を表すエピソードを一つ挿入するだけで印象変わるのになあ。その意味では小町代役の話は良かったのかも。
とはいえ、備前焼ができるまでの工程を職人の苦心する様子とともに克明に描いている点は好感がもてた。

若い陶芸家が人間国宝の作品を割ってしまうエピソードがあったが、そんな大事な作品をダンボールに入れて走るなよと思った(^^)
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