城定秀夫監督は日本映画界でも数少ない本物のプロフェッショナル監督の一人だと思っています。普段の作品は一本の映画として面白くする事に重きを置かれているように感じて、城定秀夫監督自身の作家性や、哲学のようなものはあまり出てきません。(濡れ場やメガネっ娘は別)
ところがこの作品には、城定秀夫監督個人の考え方や哲学が恐ろしいほど滲み出てきます。そして普通の考え方では悲劇でしかない話を、なんの屁理屈もこねずにハッピーエンドへと変身させて見せました。見たときは驚きのあまり、間違えて涙を流してしまったほどです。
城定秀夫監督は本当に才能のある方です。この方の映画を見ると、本当に面白い映画の、本来のあるべき形を思い出す事ができます。この作品は短くまとまっていながら本当に良く出来た、素晴らしい作品だと思いました。
