TIX3

MONOS 猿と呼ばれし者たちのTIX3のレビュー・感想・評価

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
4.0
"Eight kids with guns watch over a hostage..."

本作の見所の一つは圧巻の映像美。
山のシーンは、標高13,000ft(4,000 m)以上のチンガザ国立公園で撮影し、ジャングルのシーンはサマナ川周辺で撮影されました。
最近まで紛争地だったこの場所に訪れるのは、兵士と不法な金鉱山労働者のため、ほとんど手つかずの状態で残る未開拓地なんです。凄い〜

そんな大自然で実際に撮影された映像は、アートのように幻想的で美しくセンスの良さを感じる。
反面、不穏な電子ノイズで緊迫感を煽り、少年少女の試練を通じて疎外感、支配、性別、恐怖と忠誠心の問題を呼び起こすプロットは、完成されておりエグイ!

ちなみに本作は、ウィリアム・ゴールディングの小説 『蠅の王』に影響を受けており、インスパイアされたシーンも出てきます。

少年兵は800人の候補者から選考されました。30人程まで絞り、1週間にわたる山岳キャンプで午前中はアルゼンチン女優から演技レッスン、午後は元ゲリラ兵による軍事訓練を受けたとのこと。
出演した8人は、この戦いを勝ち抜いたいわば精鋭そのものなんです。全スタントを自らこなし、初々しさと熱量がしっかり伝わってくる彼らの演技には脱帽です。

監督は、アレハンドロ・ランデス。ブラウン大学で政治経済学の博士号を取得しており、本作は3作目の監督作品です。天才みーつけたw

サンダンス映画祭2019にて審査員特別賞を受賞した他、数々の国際映画祭で賞を受賞。
2月に行われた米国アカデミー賞国際長編映画賞部門のコロンビア代表作にも選ばれていました。日本では、LATIN BEAT FILM FESTIVAL 2019(第16回ラテンビート映画祭)にて上映されましたがそれ以降、日本ではストリーミングスルー。これがスクリーンでみれない国は残念だ…
TIX3

TIX3