kuu

アンジェラのkuuのレビュー・感想・評価

アンジェラ(2005年製作の映画)
3.8
『アンジェラ』
原題Angel-A
製作年2005年。上映時間90分。

リュック・ベッソン6年ぶりの監督作で、音楽をノルウェーの人気ボーカリスト、アンニャ・ガルバレクが担当。撮影はベッソン作品を手がけるティエリー・アルボガスト。

48時間後には命を奪われているかもしれない男、アンドレが、人生を悲観してアレクサンドル三世橋からセーヌ河に身を投げようとしていたとき、突然現れた謎の美女アンジェラが、
『あなたと同じことをする』といって河に飛び込むが。。。

余談ながら、リュック・ベッソンはかつて、最大10本の映画しか監督しないと主張してた。
今作品『アンジェラ』(2005)が彼の10作目。
それから、アーサーとミニモイの不思議な国 ~(2006)ANNA/アナ Anna (2019)まで、どんなけ撮っとんねんっ。
ファンに取っては喜ばしいことやけど。
映画撮影には魔力魅力が溢れてるのかなぁ。

こないな撮り鉄ならぬ、撮り映(映画)沼にドップリのフランスの鬼才リュック・ベッソン監督による今作品は、借金まみれでセーヌ川へ飛び込むしかないチンピラの姿を描いた洒脱でジャジーなコミックファンタジーでした。
幸い、チンピラは最後の瞬間に脚の長いブロンドの天使に助けられる。
彼女は、この哀れな人間が人生の新しい目的と意味を見出すのを助けるために地上に送られた。
しかし、アンジェラは驚いたことに、自分のような天の存在にとってさえ、救済のプロセスはちょっとした二律背反であることを発見する。
絵に描いたようなパリをモノクロで撮影したこの映画じゃ、アンドレとアンジェラが、アンドレが悪人どもから揉み消されないために必要な法外な金を集める仕事をする様子が、遊び心たっぷりに描かれてました。
そして、実際、アンドレは犯罪者として完全に失敗しており、あまりにも心が広く、己に自信がないため、その仕事では本当に成功することはない。
どうやら、彼の能力を引き出すには、アンジェラのような神聖な存在の介入が必要なよう。
しかし、この甘美でウィットに富み、高度に様式化された映画の真の主役は、ティエリー・アルボガストによる豊かで輝かしい撮影やし、それはまるで奇跡的に命を吹き込まれたアンセル・イーストン・アダムス2世(モノクロ写真で有名な米国の写真家)の一連の写真の中に足を踏み入れるような視覚体験をもたらしてくれたかな。
ほんで、実際、多くの写真や映画で見るパリそのものが、今作品と同等、いやそれ以上に美しく見えました。
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